アスベストの分析では専門の会社のスタッフが現地を目視で確認しサンプルを採取します。採取したサンプルは研究機関で詳細な分析が行われ、含有材や濃度などの情報が報告書にまとめられます。建物や施設の所有者や管理者は提出された報告書に基づいて封じ込めや除去など必要な対策を講じます。アスベストは非常に危険な物質なので、インターネットなどの情報を参考にしながら所有者や管理者が自ら分析を行うのは非現実的です。
素人が無理に作業を行うと粉塵を吸引したり周囲に飛散させる可能性があります。アスベストは悪性中皮腫や肺がん、石綿肺などの重篤な症状を引き起こすため全面的に使用禁止となっています。ただしこれらの症状が起きるのは吸引後すぐではなく、10年以上という長い時間がかかります。この物質は1941年頃から日本国内で大量に使われ始めましたが、危険性が認識され使用禁止となったのは2006年です。
長期間にわたりあらゆる産業で使われてきたため、古い建物や施設などでは残留しているケースが少なくありません。多くの企業は正確な分析を行うため複数の専門家に依頼しています。独立した複数の専門家が現状を調べれば客観的な結果を得ることができます。アスベストが検出された場合、さらに確認作業やフォローアップ調査が行われます。
定期的に確認作業などを行えば、含有剤の状態変化を追跡しリスク評価を適切に更新できます。不安を払拭して安全に建物や施設を運用するには、何でも気軽に相談できる専門家のサポートを受けることが大切です。