今は古い建物を解体する際には、その工事の規模によってアスベスト検査が義務化されています。アスベストの危険性はそれを吸い込むことによって中皮腫や石綿肺などの疾病を引き起こすことです。ならば吸い込まないようによく注意すればいいと軽く考えている人も少なくありませんが、この物質は小さくて目では確認できないというもので、しかも長時間空気中に浮遊するという厄介な特徴があります。これではいつ吸い込んでしまったのか分かりません。
そこで検査が必要になりました。検査では物質含有の有無を始め、含有率、またその種類などを調べなければなりません。この検査には専門的な資格取得者が行います。当然のことですが、検査にあたる人は豊富な知識を持つ有資格者です。
資格はさまざまなものがありますが、一般的な資格は石綿作業主任者、建築物石綿含有建材調査者、アスベスト診断士でしょう。この中の資格のうち石綿作業主任者は国家資格の一つです。この資格を有した人は現場において作業の指揮や安全の管理、そして作業員の監督などを行います。石綿作業主任者は直接的にアスベスト調査をするわけではなく、作業現場において物質の汚染を未然に防ぐための責任者という位置づけです。
こうした仕事はかなり重要で責任も大きくなります。しかし、日本にはまだまだ古い建築物があり、それらを解体する作業はこれからもかなり多くなることが見込まれます。そんな中で石綿作業主任者の活躍の場はますます広がるのではないでしょうか。